初めてのスロット

      2017/04/23

パチンコ、スロットとは無縁の生活を送ってきた。

 

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多くの人がギャンブルに狂うと言われる大学時代は日夜、学友たちとモノポリーにハマっていたので、やるキッカケみたいなものがなかった。周りにパチンコ、スロットを愛する人たちは居たが、特に自分がやることはなく、僕が持ち込んだカルカソンヌに終始明け暮れていた

 

社会人になってからも、特にやることはなかった

そんなある日、ちょっと暖かくなってきた5月ごろ、パチンコ玉をストラップとしてスマホにつけてるキチガイの先輩が

「来月コードギアスの新台が出るな」

と話していた。自分はアニメに詳しくなく、ほとんど見たことが無い。でも、コードギアスというアニメだけは、死ぬほどハマっていた

キッカケは、ALI PROJECTという、自分が中学生くらいの時に神としていた歌手の新曲がその深夜アニメに使われると聞いて、頑張って深夜まで起きてた事にある
当然オープニングかと思ってワクワク待っていたらどうもエンディングらしく、よくわからないFLOWの曲が流れ、そのままアニメが始まってしまって
「早く曲流れないかな」と思ってダラダラ見てたのですが、そのストーリーのあまりの面白さに、TVに齧りつくように魅入ってしまい、更にその1話の引き際のピークのタイミングでエンディング!→大好きな歌手の曲!!!というコンボで一撃でアニメのファンになってしまった

でも別に他のアニメは全然みたことがないので、特にアニメの話には入っていけないのだが、コードギアスだけはDVDも全部持ってるくらいには好きなので、先輩の発言に強く反応してしまった

「お?マキヤも打つのか?」

強めに目があったので先輩は話しかけてくる

でも、スロットはやったことがない
以前、1000円が3分で無くなる遊戯って聞いたことがある。ボードゲームなら3000円で一生遊べる。コスパが違いすぎてずっと興味が持てなかった

「結構面白そうだぞ」

そう言って先輩は筐体の画像を見せてくれた

か、かっこいい……!!
「スロットマシン」のなんとなくの形状は頭に浮かぶだろうが、それが自分の大好きな作品の見た目をしているとなると、なんかいいコラボグッズを見つけた時のような、そんな気持ちになってしまった

「この作品すごく好きなんです、でも、僕、スロット自体をやったことないんですよ」

「世間的に良いものでないから全然勧めないけど、時間潰しとしても使えるし、俺はやってて面白いからやってるけど、まあ、経験として1回くらいやっておくのは有りだと思うよー」

先輩は軽くそう言った
営業の先輩方はいつも何事も、押してこない。でも少しだけ、推してくる。その方がやる気になってしまうのだから、不思議なものである

 

 

来たる6月、新台入荷日、僕は繁華街に降り立った

「やるなら2万円くらいは覚悟しておけ。2000円くらいやったところで面白くも何ともないから」

ならば思いっきり楽しもうと、僕は50000円を握りしめていた。

すた丼でランチを摂り、完全に気合十分のまま、パチ屋の前についた
扉をタッチして開くタイプの自動ドアだったので、開ける前に1つ、ゆっくりと深呼吸
を、していたら可愛い店員さんがボタン押して自動ドア開けてくれた。すげえ恥ずかしかった。自動ドアの仕組みを理解してない人みたいになった
爆音が流れる店内。入口のすぐ近くに「新台!」「コードギアスR2!」みたいな看板が立ち並ぶ

きた、ついに来てしまった、今日俺はここで、大金を手にし、高級寿司を食べるのか……
さすがにテンションが上がり、早歩き気味でコードギアスコーナーに突入する

テクテク

おお、席が埋まってるな、奥の方にいかないといけないな

テクテク

あれ、一列全部埋まってる、あっ、反対側もコードギアスなのか

テクテク

………

……


満席だった
隣の水戸黄門!みたいなよくわからないのはめっちゃ空いてた
駅近の店だったからかな、そう思い僕はグーグルマップに「現在地 パチンコ」と頭の悪い入力をし、ピンで示された5つの店を歩き回った

満席

満席

満席

満席

満席
どういうことなんだ……
空いてる!と思ったらLARKとか怖そうな人が吸うタバコが置いてあったりして、全然空き台が見つからない

 

調べた所、人気の新台は普通、朝から並んで、抽選で良い番号を引いて座るものらしい
まじかよ、座るまでにも抽選あるのかよ、どんだけこいつら抽選好きなんだよ

 

台が空くのを待つ用の席もあったりしたんだが、
席に座ってる奴らも、席近くのベンチみたいなところで空き台を待ってる奴らも、
「こんな奴ら町のどこにいた?」って感じのアウトロー感、猛者に見えてしまい、ビビってしまった
そしてある思考に達する

僕はスロットマシンをしたことがない
なのにいきなりこんな、猛者たちが群がる「新台」なんて、背伸びし過ぎたのではないか
それならば、何か古い台で練習してからの方がいいんじゃないか

完全におかしな思考回路が構築される
古い台が練習になるという考えがわからない
でも当時はそう思ってしまったのだ

そして僕は広いホールを練り歩く
そこには多種多様な台があるが、どの台がいいとか、そんな知識もないから、どれにしていいかわからない
なので、せめて、コードギアスの様に知ってる作品なら、負けても楽しく遊べるのではないかと思い、練り歩く

しかし別にそんなアニメとか見るわけじゃないので知ってる作品がそもそも少なく、
まどマギが人気っぽかったけど、台が可愛すぎるから勝てなそうという理由で敬遠

これ、こんな可愛い台がお金になるわけないじゃないかと思った
後々調べたら全然良い機種らしかった

 

どうしようかなーと15分近くウロウロして
見つけた台がこちら

 

 

リング

 

ほんとただ純粋に、「知ってるから」という理由で選んだ

着席し、とりあえずソワソワする
左側では、負けているのか、熟練っぽいババアが強めにボタンを押していて怖かった
ふっ、荒れたババアよ、、これから僕がビギナーズラックで凄いことになるのを震えて見てな!とか思いながら財布を取り出す
僕もお金を入れなくては……え、どこに入れるんだ?

まずここからわからない、台にはそういうところは無く、メダルを入れるところしかなかった
僕はキョロキョロした。ババアはなんか怪訝そうな顔を向けてきた。くそっ、僕が初心者みたいじゃないか!

少しして、台の左側に紙幣を入れるところを見つけた、これか、僕はとりあえず1000円を入れた

その直後!左のババアのところにメダルがジャラジャラ送られた!

しまった、右にもあった。右に入れるのか。僕もババアもすげえびっくりしてた。
ババアはすげえ迷惑そうにメダルを数えて、僕に渡してくれた。何か言ってたけど聞こえなかった

 

何はともあれ、ようやく打ち出すことに成功した
横に冊子みたいなのが付いていて、打ち方などが書いてある。親切だ。BARと呼ばれる黒い棒みたいなのを狙って押すらしいんだけど全然出来なかった

 

リングといえばジャパニーズホラーの金字塔なんて呼ばれ、
ホラー映画のイメージを刷新したすごい映画だ
スプラッタホラーみたいな、驚く系のホラー作品が多い中、
じわじわと恐怖を煽り、常に不安な気持ちにさせるこの映画が与えた影響は凄まじく
この映画の影響で様々な作品が生まれたくらいだ

打っていて、ギミックみたいなものに感心してしまった
台の中心は井戸みたいな形になっており、たまに怨霊が吸い込まれたりし、
画面の横には携帯電話みたいなのが付いていて、たまにプルプルと震える
画面の上部には手が2つ付いており、これが落ちて来ることもあるらしい

 

画面では何でかよくわからないけど女子高生が沢山出てきて、打つたびに
「ねえねえ、呪いのビデオの噂知ってる?」
「ていうかカラオケいかない?」
なんていうディスコミュニケーションが行われている
行くなよカラオケ、ビデオに感心持てよ

 

 

投資:5000円目
5000円を使うのに、20分もかからない空間
ある疑問が僕に浮かぶ

「これ、どうなったら当たるの?」

わからない、ずっと女子高生がダラダラ喋っているだけなのだ
貞子とか一切出てこないし、図書館とか街とか画面上の場所が変わったりはするんだけど
ずっと女子高生がなんか、ジュースを買ったりしてるだけで、何が楽しんだこれは、ボタンを強打するババアの気持ちがわからんでもなくなってきた時、なんか演出がスタートした!

2人で居た女子高生の片割れが倒れていて、どうしたの!?みたいになったのだ
お、これは映画リング冒頭の、あのシーンじゃないか
ここで貞子が出てくるんだ、確かそうだ、
これか、コレで当たるのか、よくわかんないけど、当たるんだな
僕は画面を注視しながら、ゆっくりとリールを止めた
画面に「PUSH!」という表示が出て、「押せ!!」と低音のボイスが入った

僕は2アウト満塁のピッチャーような力んだモーションで、ボタンを押す体制に入った

左のババアを見たら目が合ったので、少しドヤ顔をしてしまった

おっとごめんごめん、感じ悪かったかな、「ふっ」と微笑み、僕はボタンを押した

 

倒れていた女子高生が「ばー 驚いた?」なんて言って、すぐにさっきの街の画面に戻った
結構何が起きたのか本当にわからなくて、「え? え?」とか言いながら台をペタペタ触った
ババアはもう、こちらを見ていなかった

 

投資:11000円目
1時間も経っていない。恐ろしいペースでお金がなくなっていく
このメダルが1枚20円で、一回リールを回すのに3枚だから60円
60円払って女子高生の謎の会話を見せられている。不毛である。当たりってなんなんだろう。どうなったら当たりなんだろう。11000円あれば何が出来ただろう
そんな事を考えていた時、突然変化が起こる

「亡魂ZONE」という謎のZONEに入った
世界観が少し崩れるような名前だが、何か良いZONEに違いない

画面の雰囲気も大きく変わり、リプレイが来たらチャンスとか書いてある
また、「衝撃注意!」とか沢山書いてあったが、
別にこのちっこい画面で何が起ころうとそんなビックリすることないだろと思った

リプレイは、適当に打ってて3回に1回くらいなるんだけど、特に何も起きない
何がチャンスなんだろうと、スマホを見ようとしたその瞬間、台から「ピギャアアア!」みたいな音がした
「何だ!?」と思って見たら、画面上部の手の役物が落ちてきていて、なんか虹色に色々光っていた

な、なんだこれ、当たり、当たりなのか、どうなんだ、と思い見ていたら
BONUS 確定 という勇ましい文字が画面に表示された
や、やったぞ、よくわからないが、ボーナスらしいぜ、くくっ
ドヤ顔しようと思ってババアを見たのだが、特にこちらを向いていなかった
7を狙って揃えろ!という指示が出た。めちゃくちゃ集中してなんとか揃えることが出来、

「貞子BONUS」

という、また世界観を崩しかねないBONUSが始まった

「純増3」という表記が台の上に書いてあった
これは、当たってる時、一回転当たり3枚メダルが増えるという意味らしい
BONUSは残り40Gと書いてあるから、つまり120枚出るってことか
え、2400円じゃん、全然足りないよ!11000使っちゃったよ!
不安になりながらもボーナスを打っていると、また手が落ちてきた

「呪縛RUSH!確定!」

この辺りで世界観が壊れ、なんかBONUS後に呪縛RUSHというものに入るらしかった
呪縛RUSHも40Gの当たりなのだが、どうも途中で回数が増えたり、40Gが何度もループする良い当たりらしく、
え。これすごいじゃん、貞子BONUSより全然いいわ、一回2400円がループするのかすごいと思った

そして呪縛RUSHが始まり、よくわからないまま打っていると下皿がメダルでいっぱいになったりして嬉しかった
ドル箱にメダルを入れるって動作がしたかった部分もあったので、楽しかった。ババアはまだ当たっていなかった

その後、7を狙えってのがまた来て、頑張って狙ったら

「貞子ATTACK!」というのになった

どんだけリングの暗い世界観を壊してくるのかわからないが、打っていると
「+30G!」「+30G!」と、2回、RUSHの回数が上乗せされた
60G…180枚だから…3600円…すごい…どんどん増えていく…

自販機でカフェオレを買って、煙草に火を点けた
大当たり、コレは確かに、気分がいいものだ、いつもより美味しく感じる
強打ババアを眺めながら、僕は当たりを消化していた

終わったと思ったらなんか最後に女子高生が出てきてまた40G復活とかして、
これいつ終わるんだろうすげえと、ワクワク打っていた

ベットボタンを押して、レバーを叩き、画面の指示通りにボタンを押す、メダルが払い出される
これだけの動作が、こんなに楽しいのは、お金がかかっているからなのだろうか
楽しかった、純粋に、ずっとこの時間を過ごしたかった

そして、打ち出してから2時間くらい経った頃だろうか、

慣れた動作でボタンを押すのだが、回転するリールが停止しなかった

は?なんで?と思い、ボタンを連打するが、リールが止まらない
え?壊れた?何で俺のが壊れるんだ?壊れるならババアの方だろとか思いつつ画面を見ていたら
「ピギャアアアア!!!」
みたいな爆音と共に腕が落ちてきて、貞子の顔がドアップで映し出された

 

「うわあああああああああ!!!」

僕は驚き悲鳴を上げて、持っていた煙草を反射的にババアの方に投げつけた!

「ひいいいああ何!!」ババアは悲鳴を上げて、走っていった

 

画面には「絶叫乱舞」と表示されており、

ああ、まさにと思いました
そこからの事は、あまり覚えていません
何か途中で止められて、メダルを交換してもらって、
もうこの店には来るなよって話を優しくされました
ババアに煙草が当たらなくて本当に良かった

一応、換金して25000円ほど手にしました
嬉しかったです

 

強打ババアへ、本当にごめんなさい

 

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 - 日記