巨乳デンタル

      2017/09/08





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歯茎から血が出る。

歯磨きの度、いとも簡単に出る。

このままではちょっと力入れるだけで必殺技みたいに出てしまうのでは無いかと不安になった僕は、歯医者を予約した。

 

歯医者は2年前、変な生まれ方をした親知らずを抜いた以来だ。めちゃくちゃ痛かった。麻酔マシマシでやってもらって、その後ずっと痛かった。二度と歯医者なんか行くもんかと思ってた。

 

ずっと歯医者が嫌いで(好きな人もいないと思うが)、虫歯があるわけでも無いのに歯医者に行くというのは、ちょっと新鮮だった。歯茎からの出血がどうしても不安だった。放置すると凄い口臭になるってネットに書いてあったから。

 

 

15:40

16時からの予約なので、念入りに歯を磨いた。なんか言われるの嫌だから10分かけて磨いた。口の中は血まみれだ。やばい気がする。

 

 

15:55

模範的な時間に、ブスデンタルに入店した。

 

「すみません、16時で予約して……」

「あ、はーい」

 

受付してくれた高い声の女性が妙に美人で驚いた。しかも巨乳だ。おかしい、こんな子をこの歯医者が雇うわけがない。

マスクだからか、いや、ここはマスク関係なくヤバかったはずだ。どうしたんだ地元、いいじゃないか。

 

 

実験室みたいなあの椅子に座り、先生がやって来る。

「ひさしぶりだねー!」

先生はふくよかな男性で、B専だ。

 

先程の美人があの水を吸うホースみたいなのを動かし、先生が見る。

「軽い歯肉炎だねー、全然軽度だからクリーニングすれば歯茎引き締まって治るよー」

 

 

歯肉炎という病気があるのか、出血はそのせいだった。

幸い虫歯などは無く、とりあえず歯石とかを取ってもらう感じになった。

 

歯石は細い針のドリルみたいなので取るらしいのだが、先生の仕事じゃないらしかった。

歯科衛生士の方がやるらしい。

 

「痛かったら左手挙げて下さいねー!」と高い声で言われる。

女性に口の中をいじくりまわされるのは何か不思議な気持ちになる。

 

で、痛い。歯茎スレスレのところをキュインキュイン削るのだが、前述の通り歯茎が弱っているので簡単に出血して痛い。

多少は耐えるんだが痛すぎて「う”ー」みたいな声があがる。涙が出てくる。

ドリルを取り、「……痛いですか?」と不安そうに聞いてくる。「いえ」と答えるのが精一杯だ。

でも痛い。何でこういう時「いえ」って言っちゃうんだろう俺。歯茎を直接ドリルされてる気がする。めちゃくちゃに痛い。どうするか、左手を挙げるか。

俺がこの人を100%信用していないから不安なんだろう。先生なら信用できる。ただ初対面のこの人はまだ出来ない。「このくらいの痛みが正常」と理解しているのなら耐えれるのかも知れないが、「コイツミスってんじゃねえか」とか思ってしまうとダメだ。痛い痛い痛いってなる。

 

 

その時だった。

 

胸が、顔に当たった。

 

 

位置的には右側から左の方の歯をやって頂いてたんだが、俺が痛すぎて顔を少しそむけ気味になったからか、胸が当たっている。確実に。

「それ狙いで顔をそむけた奴」とは思われたくないので戻そうと考えたが、戻すと「胸にうずめにいく奴」みたいになる。

動けない。フリーズしてしまった。

 

胸が当たるなんて都市伝説みたいなものだと思っていたが、そういえば虫歯治療以外で歯医者を利用したことが無いからかもしれない。歯石を取るなら位置的に、そうなる。胸が当たる歯医者のデータベースとか作ればすごいビジネスチャンスがあるんじゃないかとか思った。

 

 

相変わらずキュインキュイン削られているのだが、気づけばなんか痛みとかあんまり感じなくなってた。

右頬に触れるそれに完全に意識がいっていた。どうしようって思ってた。

 

 

そして、ドリルが外され、衛生士さんが口を開く

 

 

 

 

 

 

 

「すみません、ちょっと右の方向けますか?」

 

 

 

ええっ

 

 

いいの?

 

 

いいのか

 

 

 

 

「あ、はい……」

 

 

 

軽く向いた。より近くなった。顔の重量の一部を胸に置いている状態になっている。妙に緊張する。なんだこれ。しかも全然痛く無い。すごい。医療ってすごい。

 

 

 

後半は痛みもなく、無事に終わった。口を濯いだらしっかり血みどろになっていた。

歯石によって腫れていた歯茎が収縮するので、来週また歯石を取れば治っていくらしい。

 

 

 

僕は歯石を取ってくれた50歳くらいの衛生士さんに感謝を告げ、受付の美人に次回の診療を予約して歯医者を去った。

 

 

 

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 - 日記