狂った後輩とワードバスケットしてみた

      2017/04/23

こんばんは、マキヤです

皆さんは、ワードバスケットをいう知的遊戯をご存じだろうか

これは、一言でいえば「しりとり×カードゲーム」で、ボキャブラリーと発想力が試される遊びだ

カードにはひらがなが1文字だけ書いてあり、場の札で始まり、手札で終わる3文字以上の単語を言えば、その手札を1枚捨てることができる

例えば場の札が「し」で、自分の手札に「き」があれば、
「しらたき!!」
って言い、出すわけだ

そして次はその出した「き」が場の札となる。「く」を持っていれば
「きんちゃく!」
と言って出すことが出来る

 

これを繰り返し、手札(5枚)を最初に出し切った人間の勝利だ
言葉はみんなが知っている名詞であればOKなので、別におでんの具じゃなくても良い。一応ひらがなだけでなく、「5文字」「7文字以上」「あ行全部OK」みたいなボーナスカードもある

 

やってみるとわかるのだがこれが本当に難しい
初めと終わりが決められているしりとりが、ここまで難しいものなのかと

また、最後の1枚は四文字以上じゃないといけないので、
なかなかサッと上がることは出来ず、

「『き』で始まって『ひ』で終わる単語なんて無くね!?」
「俺のボキャブラリーはこんなに貧弱なのか」
「『め』で始める7文字以上の単語……?」
と、なんか使ってない部分の脳みそが刺激される感じがあり、お勧めである

 

 

僕がワードバスケットに出会ったのは2年前

「社員旅行の部屋でできるトランプ以外の遊びないかな」と思い、ボードゲーム屋さんでおすすめされたこれを購入した

早速やってみたかったが、社員旅行は一か月も先だった。調べたところ大勢でやったほうが楽しいが、一応2人でも遊べるらしかった

たまたまその日の夜メンヘラ少女とご飯に行ったんで、僕のワードバスケットやってみたい気持ちが強すぎて店内でデュエルしてみた。そのメンヘラ少女が強かったのかなんなのか

「ソラナックス!!」
「自己愛」

「アンダルシアの犬!!」

とか何かどこか病んでる単語で負けるから結構楽しくなかった。ソラナックスは向精神薬の名前らしい

 

「もっと、ちゃんとやりたい」

心のもやもやを抱えて帰宅。社員旅行までに、強い状態で臨みたい。その一心で翌日、いつも暇そうな後輩の吉崎君を家に呼んだ

 

吉崎君は脳みそが完全に狂っていて、昔、一緒に配達のアルバイトをしていたのですが、お客さんの家に立ちションをしてクビになるという壮絶な過去を持つ。なんでそんなことしたのと聞いたら

「その家の壁が、すごく白くて綺麗だったので」

とすげえサイコな返答をし、店長を震え上がらせた過去を持つ男だ

 

ハキハキとルールを説明し、いざ勝負

「ローマ!」
「まんじゅう!」
「うんが!」
「ガーターベルト!」
「トッポ!」
「HONDA!」

サイコ野郎としか思ってなかったから、予想の10倍くらい強くてびっくりした

不本意ながらいい勝負になり、お互い残り1枚のカードとなった。4文字以上の言葉を先に思い付いたほうが勝ちである

 

場の札は「た」
濁点と半濁点もOKだから、「だ」で始めても良い

僕の手札は「る」
タルワールとかいう剣があった気がする。でも吉崎は知らないだろうから駄目だ。上がるときは有無を言わせない、綺麗な単語で上がりたい。が、一般的な名詞で「た○○る」が思いつかない

 

膠着状態となったところ、吉崎は言う

「僕のカード、『ら』なんですけど、無くないですか?」

確かに、「ら」も中々厄介なカードだ
3文字なら「タワラ」とかでいけたかな…と考えていたら

 

「あ、あれがあったわ。マキヤさん、僕上がりますよ」

なんだと!?

そんな馬鹿な
こんなアッサリと、僕が、負けるのかっ…?

焦り、吉崎を見る。奴はニヤリと笑い、ヴィクトリーカード「ら」を出した

 

 

 

 

 

「たくさんのゴリラ!!!!!」

 

ちょっと待って

 

「え、ダメなんですか!?」

「絶対駄目だよ、『たくさんの』が強すぎるよ」

「聞いてないですよ!」

何でしりとりのルールから説明しないといけないんだよ

 

 

「仕方ありませんね……思いつかないので、チェンジ を使いますよ」

 

……!!!

 

そう、このゲームにはチェンジというルールがある
どうしても思いつかないとき、自分の手札を全て場に捨て、捨てた枚数+1を新たに引くことができる。そして場の札はその捨てた札に代わる
(捨てた枚数をnとして、n+1)

手札が1枚増えるデメリットと、場の札が変わるので今まで頑張って考えていた時間を無に帰す事となるので、中々勇気がいる選択だ

場のカードは「ら」となり、吉崎の手札は2枚となった

「ら」で始まり、「る」で終わる単語……また、思考の迷宮に入りそうだった

 

 

「ラクレ!」

考え苦しんでいると、吉崎が出してくる

「なんだよラクレって!」

「ここ来るときラクレって店ありましたよ」

「ああ! あるわ!」

 

場の札は「れ」となった
何でこんなに、ら行が多いんだ。ちゃんとシャッフルをするべきだった。全然思いつかない

再度、場は膠着した。吉崎のカードは不明だが、そもそも「れ」で始まる単語が少ないからそんなすぐには思いつかんだろう

 

考えろ、マキヤ

考えるんだ

あるはずだ絶対

「れ」で始まり、「る」で終わる4文字以上の単語が

考えろ

脳みそを回せ

思いつけ、人生を振り返れ

己の人生に無かったのか

「れ」で始まり「る」で終わる名詞は、無かったのか

こんな立ちション野郎に、負けるのか

そんなわけないだろ

必ず、あるはずだ――

 

 

 

「くくっ」

膠着した場には乾いた空調の音が響いていた
それ故、それ以外の音には敏感になる
吉崎、お前、今、 ”笑った” か?

 

「すみませんねマキヤさん、僕の勝ちのようです」

 

なん……だと……?

どうせお前また、副詞とか形容詞を――

 

「いえいえ、もうそんなケチはつけられたくないんでね」

 

俺が……?

 

「ちゃんと、この前見た映画のタイトルで上がらせてもらいますよ」

 

 

映画……そんなのあったか……?

でも……負ける……?

 

「ふっふっふっふふ」

 

吉崎は変な感じで笑いながら、カードを掲げた
手には「ほ」の文字があった

 

「大したこと無かったですね、マキヤさん」

 

吉崎がカードを振り下ろす

 

やめろ、やめろおおおおおおお!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「練乳まみれの義母!!!!!!」

 

 

 

普段どんな映画見てんだよ

 

 

 

 

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