イカれた派遣会社に登録してきた時の話

   

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濃霧のような不安が、夜のベッドを覆う。

「どうなってしまうんだ」「俺は大丈夫なのか」

目に見えないそれは心臓を締め付け、夜が明けるのを怯えながら待つ。

06:30 弟が仕事に行くために起床する音が聞こえる。北にある窓からは優しい朝日が降り注ぐ。

07:30 妹が学校に行くために廊下をドタドタと走り回る音が聞こえる。

パーカーのフードを思いっきりかぶって、布団に潜り込む。気づかぬうちに眠っていたいと願いながら。

 

今日もまた、8時くらいまで眠れなかった。

先月仕事を辞めた。理由は本当に複雑で色々あったからとしか言えない。

 

 

 

 

 

晴れて無職となった。

 

無職になったことない人は知らないかもしれないんですが、めちゃくちゃ暇なんですよ

 

「暇なら記事たくさん書けるね!」って思うじゃないですか。書かないんですよ。書かないの。

「締め切り一週間後ですけど大丈夫ですか?」って言われて「まだ一週間もあるんですね!」とか調子乗った返信してるのに最終日徹夜でやってるの。当日の夕方くらいに「どうですか?」って来てるのわかってるのに深夜にやってるのよ。とにかく何もする気が起きない。記事終わってないのに何故かちょっと雑なブログ更新とかしてんの。意味分からない。

 

 

薄もやの様な不安は、将来に対するものだ。

有給が残ってたから今月もしっかり給料が入る。毎月お金が入るって、すごいありがたいことなんですよ、僕知らなかったですけど。

朝起きる度に「会社燃えてないかな」とか思うくらいに嫌いな会社でも、毎月給料が入ってた。それが無くなる。来月は給料が振り込まれない。この不安、ものすごい。

働いている間はそのお金のリアリティが希薄になってきていて、辞める時も気付かなかったんですけど、辞めて1週間くらいしたあたりですかね、すごい不安に襲われるようになってしまって。死にたくなりました。

もし仕事をやめること検討してるよって人は、先に悩みの種を排除してからの方がいいと思います……!

 

 

予定がある日は本当に嬉しい。仕事が忙しくてあまり人と会えていなかったので、せっかくなので多くの友人と会った。

先月はオモコロの仕事をお手伝いさせて頂いて、その帰りにみくのしんさん、山ラジさん、たかやさんとボーリングしたり、地元の友人たちと飲みに行ったり、高校の時の友だちと旅行に行ったりした。

 

お金はどんどんなくなっていくが、一時的に不安もなくなる。楽しいからだろうか。その不安の原因が増えているのに、一時的に楽になる。これはきっと麻薬と一緒だ。

 

次が決まってるとかならきっと不安は少ないはずですが、「次の5月」という微妙に遠い期間が僕を困らせる。失業保険も貰うんですが、基本的に3ヶ月分しか出ませんので、それまでどうしよう、カード代とか保険とか支払うものは色々ある。

 

襲いかかる不安に抗うようにスマホをいじって、いろんな記事読んだり、ハースストーンっていうゲームのアプリに課金して、どうしようもない動画とか見なたりして、なんとか気を紛らわせ……

 

 

 

 

 

 

 

ハースストーンっていうゲームのアプリに課金して

 

 

 

 

いや、わかるよ、言いたいことはわかるよ。大丈夫だよ俺も自分を客観視出来てるから。わかるよ、わかる。わかりすぎ。わかってる。

 

違うんだよ。何が違うかは一切説明出来ないけど違うんだよ。働いてる時は課金してないんだよ。自分でも意味がわからないけど無職になってから初めて課金したんだよ。カラザン解放したかったんだよ。

 

 

 

 

家に居てもどうしようも無いので、たまに気晴らしに外に出ます。

意味もなく土手沿いを歩き続けたり、大きめの公園で朝ごはん(あまいパン)食べたり、絶対勝てないだろうなって思いながらスロット打ったり、ちょっと遠くのコンビニに行ってみたり。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

絶対勝てないだろうなって思いながらスロット打ったり

 

 

 

わかってる。わかってるから。俺は全部わかってるから。大丈夫だから。違うから。「よーしこれで勝ってお金稼ぐぞー!」なんて微塵も考えてないからまだマシでしょう? マシじゃない? そっか…

 

 

 

 

そんな生活を一ヶ月くらいやりまして、不安に勝てなくなってきたので、働こうと思いました。

「働く」って事は1つ、不安の種を消しているんだって、辞めてから気づきました。

 

僕の前職の経験が、転職市場でちょっとだけ需要があるのは知ってる。ただもう同じような事をしたくなく、更に5月から色々やるから正社員になるわけにもいかんので、派遣のお仕事をしようと思いました。

 

【地元の駅名 派遣】で調べたらまあさすが田舎の方の千葉ですよ

 

 

「倉庫内軽作業! 外国人多め! 時給900」

「シール貼り 時給850」

「冷凍庫内作業 900円」

 

 

 

 

やりたくねえええええええええ

いやだあああああああああ

 

 

一応ですね、一応、僕、ブラックとはいえちょっと前までスーツ来て東京で働いてて、いっちょ前に部下とかいたんです

普段は優しく、時に厳しく指導とかしてたんです

新卒の子に、「マキヤさんに憧れてます!」とか言われたことあるんです

外国人と一緒にシールとか貼ってる俺を見ても同じ事を言ってくれるでしょうか

 

決してバカにするわけではないのですが、ちょっとだけ今の気持ちとの高低差が激しくて、この精神状態で冷凍庫で作業とかしたら死んじゃうと思ったので画面を消しました

 

 

やっぱ東京までちゃんと行って登録しないといけないんだろう

昔、エキストラのバイトやりたくて怪しい事務所に入ってたけど何だかんだいっぱい仕事くれたもんな

 

 

というわけで楽しそうな仕事を紹介してる派遣会社2社に登録しにいきました。

 

一社目、調べたところ誰でも受かるらしいので気軽に参加しました。

 

登録説明会には15人くらいいた。半分くらい女子高生だった

 

 

社員の人「では、みなさんには今からこのDVDを見てもらいます!」

 

どうやら仕事に関するDVDを見るらしい。

 

「居眠りをしていたり、よろしくない受講態度の方は退室していただきます!」

 

少し厳しいが、これは仕事なのだ。当然といえば当然だ。

 

「それと、服装がふさわしくない場合も退室です!」

 

もっと早く言って欲しかった。ここに来る前に言ってほしかった。

僕は花柄のシャツを着ていたので、ふさわしいのかどうなのかドキドキしながら受講しました。

 

 

そしてDVDが始まる。なんかクロマキー丸出しの背景に、スーツの美人なお姉さんが出てきた。

 

「こんにちは! 株式会社◯◯、広報担当の北川です! 今日は私と一緒に学んでいきましょう!」 

 

 

隣の女子高生たちが「コイツ絶対鼻整形だよね」って言ってた。 受講態度よろしくなさすぎるだろ。北川は生まれつき鼻がすごく高いんだよ。

 

 

なんかDVDは北川がダラダラ心構えとか説明してた。短いセリフの連続なのにいちいちカットが変わっててすごく気になった。

 

しかし突然映像に変化が。背景が外になり、若い男が急に出てきたのだ。

 

 

 

「ふわぁ~あ! いい天気だなあ!」 

 

 

 

??????

 

 

信じられないくらいの棒読みをする男が出てきた。 女子に謝る男子小学生くらいの棒読み。

 

「彼は役者志望の25歳。藤本さん。今から株式会社○○の派遣スタッフとして働く彼の一日を一緒に見ていきたいと思います」 

 

「よーし! 今日から派遣の仕事、がんばるぞー!」 

 

 

 

 

 

 

役者志望!? 嘘だろ!?

 

 

日常生活に支障を来たすレベルの棒読みなのに役者志望の登場という、まさかの展開に目が離せなくなってしまった。隣の女子高生は寝てた。

 

 

 

「うーん、どれにしようかなぁ~!」

 

藤本がなにやらスマホで仕事を探しているようだった。そこに

 

「ごめーん!待った?」 

 

って彼女役まで出てきた。リア充じゃん藤本。

 

キャストが足りなかったのかどう見ても私服になっただけの北川さんだった。鼻でわかった。

 

「なにやってんの?」 

「なにやってんのって、当然、◯◯で仕事を探してるんだよ!」 

 

 

 

待ち合わせ場所で仕事を探してたら「なにやってんの?」って聞かれるだろ。

 

 

「へー! 株式会社◯◯の派遣スタッフに登録したんだ!」 

 

「うん! よかったら君もやらないか? 紹介だとお互いに1000円のボーナスが出るんだよ!」 

 

 

ノリノリで誘ってる藤本が本当に可哀想なんだけど北川さん既に社員だからね。しかも広報担当だからね。

 

 

「仕事はあったの?」 

「渋谷で洋服の箱詰めがあったから、今から行ってくるよ」 

 

 

 

今から行くの!?

何か待ち合わせしてたんじゃないの!?

 

 

シーンが変わり、仕事する藤本の姿が映し出される。

箱に服を詰める藤本。

向かいにいるスーツの男が、藤本に話しかける。

 

「おーい。これ重すぎて一人じゃ持てないから反対側持ってくれー」 

 

 

1人で持てるだろ服が詰まった箱くらい

 

 

「はい!」 

 

ここで急にスーツの北川さんがカメラ正面に!

「このように仕事先で何かを頼まれたら積極的に手伝いましょう!」

出てきちゃったよ! まだドラマ途中なのに!!

 

 

 

シーンが変わり、仕事を終えた藤本がビルから夜の街へ

 

 

「ふぅー! 終わったー!」

「わっ!」 

「うわあっ! びっくりした!」 

「そろそろ終わりだと思って待ってたんだー」 

「ありがとー」 

「あー! 女の子からのメールチェックしてるー! 怒るよー」 

「ちっ違うって! ○○に終了の報告をしてるんだよ!」 

「そっかー! 完璧だね!」 

 

 

 

 

もしかして:メンヘラ

 

そして一番やっちゃいけないことのような気がするのですが、仲睦まじく歩く藤本と北川を背景に、スーツの北川が出てきて締めに入りました。

 

 

なんにせよ謎のDVDタイムが終わり、ふぅー! 終わった―! と思ってたら

 

 

 

「では次のDVDです! こちらでは派遣に関する法律を学んでいただきます!」 

 

 

 

二枚組。嘘だろ。さっきの無くても良かっただろ。

 

1時間後、終わりました。

 

 

 

2社目、面接からスタート。倍率10~20倍だけあって採用後に面談もありめちゃくちゃ親切。失業保険の縛りで何時間超えたらダメとか完全に熟知されており、すごく良かったので、1社目はどうでもよくなりました。

 

 

結構条件のいいイベント仕事を沢山紹介してもらい、「とりあえず仕事の目処が立った」という事実が、不安の霧を晴らしてくれました。

5月までですが、普段出来ないような仕事をちょいちょいやってみたいと思います。色んな経験を積む期間としよう。

あと記事も沢山書こう。ブログも、メディア様も。次はgifとか使ってみたい。

携帯のカメラで撮ったものがgifになるなら俺でもできるぞー!

 

よぉーし! がんばるぞー

 

 

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 - 日記